世界できっと、キミだけが


浩一さんと釣り合う部分なんて…。
同じ人間ってだけな気がする…。




「政略結婚っていうのも確かにある話だけど。僕は関係なく自分が決めた人と一緒になりたいんだ」

「でも…、どうして私なんですか…?」

「純粋で、まっすぐなところかな」

「え…?」

「あのパーティの数時間いや、数十分かな?くらいしか話はしなかったけど、それだけで君の人の良さが分かったよ」




褒められ慣れていなくて、恥ずかしすぎる。
あの時は、幸子お嬢様になりきろうと必死だった。
でも…、浩一さんといるときは、結構素だった気がするけど。



「まっすぐ僕と会話をしてくれて。他の人とは違う何かを感じたんだ」

「違う…」

「他の人と、僕を見る目が違う」

「…?」

「君は、僕に取り入ろうとなんて考えてなかっただろう?気後れは感じているようだけど」




取り入ろう…。
そう言われてもどういう事かよくピンとは来ないけど。
つり合いの取れなさに居心地の悪さこそ感じるけど、浩一さんという人を思えば、話すのは楽しいって感じる。
って、そういう意味じゃないのかな。



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