世界できっと、キミだけが
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目を覚ますと、目の前にお父さんがいて。
一気に感情が溢れて涙が止まらなかった。
怖くて、辛くて、苦しくて、痛くて。
涙が落ち着くと、そこに竜や久住さんの姿があることに気づいた。
「竜…?久住さん…?」
「紗千…。すまなかった。助けに行くのが遅くなって」
「助けてくれたんだ…」
だから私、ここにいたんだ。
私、私…。
「浩一さん…!浩一さんは!?」
「あまり興奮しちゃだめだ、紗千」
お父さんに抱きしめられる。
でも、そんなこと気にしていられない。
だって!
「倉持さんも同じ病院に運ばれてる。隣の病室だ」
「大丈夫なんだよね…?浩一さん…」
「まだ意識は戻っていない」
「…っ!!」
手が、震える。
体を起こし、ベットから降りようとする私を止めたのはお父さん。