世界できっと、キミだけが
「安静にしておかないと!どこに行くつもりだ?」
「浩一さんのところ…。姿見ないと不安だから…」
「意識が戻ったら必ず知らせる。だからお前は」
「いや!離して、お父さん!今すぐ行きたいの!」
だって。
だって。
酷く殴られていた。
私を庇って何度も、なんども。
「わかった。わかったから、落ち着いて。お父さん、俺が連れて行きます」
「あ、ああ…。俺は、お医者さんに話を聞いてくるよ」
竜が私を支え立たせてくれる。
その手はとても優しくて。
久しぶりの竜なのに。
会えて嬉しいはずなのに。
こんな再会じゃなければ。
「ここだ」
竜に連れてきてもらい病室の前に立つ。
心拍数が上がる。
怖い。
息を吐いてゆっくりと扉を開き中に入った。
「浩一さん…」
「酷い打撲と左腕の骨折だそうだ」
とても痛々しい姿。
涙が溢れ出す。
どうして…。
私のせいだ。
私のせいで浩一さんは…。