世界できっと、キミだけが
私が巻き込んだ。
私が、こんな目に…。
「ごめんなさい…っ」
ポロポロと溢れだした涙。
とまらなくて。
悲しみに支配された心が重くて。
苦しくてたまらない。
「紗千のせいじゃない」
「私のせいだっ!私が…!全部…!全部私が!」
「落ち着け!違う!紗千のせいじゃない!」
これのどこが私のせいじゃないというの。
吉沢さんは私を狙って。
私が、身代わりなんて引き受けたから。
みんなそう言う。
あの男も。
吉沢さんも。
全部私のせいだって。
「なん…、なんで…」
「紗千…」
苦しくなって、身体に力が入らなくて。
ズリズリとずり落ちていく身体を、竜が支えてくれる。
辛くて、苦しくて仕方がない。
誰にも傷ついてほしくないの。
私のせいで誰かが傷つくのなんて耐えられない。
庇ってほしくなんて、なかったのに。