世界できっと、キミだけが
見ると、鹿島さんはしっしっと動物でも払うかのような動作をしている。
むかつく…!
「親戚のおじさんよ、おじさん!」
私はカッとなってそう言うと、二人の腕を引いて校門をくぐった。
「おい、なにそんな怒ってんだよ」
「怒ってない!」
「いや、怒ってるよね。すごく」
本当はこのイライラを全部ぶちまけたいのに。
事情なんて話せないし、隠して話すには難しすぎるし。
そうなると全部話さない方がいいって思うし。
ああもう。
消化不良だ。
「すっごく嫌なことがあって、イライラすることがあって。それがたまりにたまってどうしようもない状況なの」
「なんかよくわかんねぇけど、結構うっぷんがたまってんのだけはわかった」
「うん」
「それだけでもわかってくれたなら、嬉しい」
二人はそれ以上深くは聞かない。
それがわかってるから、すごく楽だ。