世界できっと、キミだけが
「紗千さんの警護も我々の任務に入っているので、もちろん今日もつけさせていただきますよ」
久住さんはにこやかにそう言った。
そうなんだ。
でも、私は大丈夫なんだよね?
だって今日は本物の幸子お嬢様がいるし、私は変装もしているもの。
でも、鹿島さんは幸子お嬢様についていたいんじゃないかな。
この前の二人の空気を見てそう感じた。
チラリと鹿島さんをみるけど、表情からはなにもわからなかった。
「じゃあ、いきましょうか」
久住さんの号令により、私たちは車に乗り込み出発した。
幸子お嬢様の大学は、無知な私でも知っているような有名な大学。
大学という場所に初めて足を踏み入れる私は、そわそわして仕方ない。
車で大学の前までやってくると、門番のような人が駆け寄ってきた。