世界できっと、キミだけが
「すみません。車での乗り入れはできません。この先のパーキングをご利用ください」
「どういうことですか?許可はとっているはずだし、これまでもとめていたはずですが」
「そう言われましても、我々はそう聞いてますので」
「大学側と話をさせてください。うまく伝わっていないのでは?」
「申し訳ありません。決まりですので」
何か問題だろうか?
久住さんとその門番の人がもめている様子。
「…わかりました。そのようにします」
しばらく言い合っていたけれど、結局こちらが折れる形で収束したみたい。
「あの…」
「ああ。本当なら大学の中に車を停めてそのまま入る予定だったんだけど、ちょっとトラブルでうまく話がいっていなかったみたいだ」
「そうなんですか…」
「大学外を通るし、少し危険は増えるけど、しっかり警護するので、安心してください」
久住さんは凛としていて、安心感がある。
大丈夫だって思えるような。