ウルフの恋に溺れて。
「いってきまーす!!」
誰もいない家の中に向かって、私は大きな声で叫んだ。
全力で走ったら、次の電車には乗れるかな?
そう考えながら、私は駅までの道をダッシュした。
「うわー!ついた!家から頑張れば十分でつけるんだ!」
誰に言うでもないのに、大きな独り言を唱えて改札にはいろうとすると
私はあることに気が付いた。
「…ん?……あれ?…ん!?」
定期が…ない…。
最悪だぁぁ、慌てすぎてちゃんと中身も確認せずに飛び出してきたから?
今日はついてないな…切符買おう。
「…あれ?……うそでしょ…」
財布が…ない…。
何やってんだ私のバカ!!財布も定期もないなんて、あと三分で電車きちゃうのに…どうしよう。
絶望に暮れていると、背後から私を呼ぶ声が聞こえた。
大好きで、でも今は、一番聞きたくない声が…。