ガキ大将が王子さま

卒業まであとわずか、この3月に大学を卒業したら地元の企業に就職が決まっている。

卒業が決まる単位試験まであと一週間だ。



とはいえ、四回生の前期で単位数が足りてしまっている私は、とりあえず受けているだけみたいな状態。

隣にいる私の友達の美和は、足りてないのでレポートとかに必死だ。



今は、昼休み時間で美和のレポートを手伝いながらランチをしている。


「妃真。ここなんて書いたらよいかわからないよ。」

「思ったこと書いたら?もしくは、文献を引っ張ってくるとかね。」


「冷たい~
もう、妃真は、就職先も決まって卒業単位も足りてるから余裕でよいよね。」


そんなこと言ってる相馬 美和は、学校内で目を引く可愛い女の子だ。


「美和だって、内定もらってるじゃない!」


「私は、あんなとこよりもっと上の企業がよいの!
一流企業に入って、よい男を捕まえるんだから♪」


はいはい、いつもの話しですね。

美和は、面食いなんだ。
合コンに引っ張りだこで、美和が行くってだけで、男の子の集まり具合が違うらしい。


らしいと言うのは、私は一緒に行かないから噂でしかしらないからだ。

「そんなことより、妃真~!今日、合コンがあるんだけど、行かない?」

「行かない」

「もう~そんな即答で!まだお兄ちゃんに操を建ててるの?
いつあえるかわからないんだから、それまで楽しんでいればよいのよ!
だいたい連絡もないんだし、子どもの戯れ言でしょ?」


「…うっ、ち、違うもん…」


言葉が尻すぼみになってしまう。


実際、22歳になるまでの約15年の間、一度も連絡とかなかったのだ。

あのとき、お兄ちゃんは、小学生。



忘れられちゃってるのかな?






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