現役女子高生、メイドになります!
「……大丈夫か?」



震える風様の手が、恐る恐るといった様子で私の頬にそっと触れる。


目をつぶると、こぼれた涙が風様の手の甲に伝っていった。彼の親指が目尻を優しくなぞる。



「海になんか言われたの?」



私は黙って首を振った。風様は私を心配して側にいてくれているけど、本当は自分自身の心こそが壊れてしまいそうになっているのではないか。




「そうではないんです。風様、私……」



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