上司な彼とルームシェア
気持ちに正直に
今日は金曜日、何とか一週間を切り抜けられた。
でも、そろそろまずいなとは思ってる……結実ちゃんにもかなり迷惑かけてるし。

「先輩、今日は夜ご飯行きません?金曜だし。」

定時にあと1時間前となった頃、結実が声を掛けてきた。今週は沢山迷惑かけたし、ご馳走しなければと思った。

「うん。今日は私に奢らせて」
「やったぁ!楽しみにしてます!」


「「乾杯っ!」」とジョッキを鳴らす。
いつもの創作居酒屋だ。
すると、初っぱなから結実が切り込んできた。

「支部長補佐とどうなってるんですか?」
「あー、うーん。結実ちゃんには話しとこうか。」

それから俊哉との事、過去の恋の事洗いざらい話した。結実は最後まで、うんうんと聞いてくれていた。

「じゃあ、支部長補佐には返事してないんですね。」
「うん。もしOKして重いって思われたらと思うとね…」

「でもそれじゃずっとこのままじゃないですか。もしOKしたらって事は、もう支部長補佐の事好きだって言ってるようにしか聞こえませんよ?」
「え、いやぁ…」
「自分の気持ちをちゃんと認めてあげないと、自分が可哀想です。一生元カレに言われた事引きずって生きてたいですか?」
「う……、それは嫌」

「だったら答え出てるじゃないですか。そろそろ私も解放されたいですし。」
「はは、それは本当にごめん。……ちゃんとケリつけてくる。」

「よし、じゃ飲みましょう!乾杯っ!」
「うん、乾杯」

…自分が可哀想か…。今度はちゃんと報われるかな。

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