上司な彼とルームシェア
まだまだシェアメイト

──『はぁ~、疲れた』

由紀恵はいつもよりも心地よいベッドに足を投げ出した。


「お疲れ様」
と俊哉がシャンパングラス二つを手にベッドに腰掛け、微笑む。


ここは、ホテルのスイートルームだ。


ルームシェアが始まり、1年と2ヶ月。


本日、蒔田由紀恵改め

『長谷川由紀恵』になりました。



新居は構えず、あのシェアハウスに住むことになり、俊哉と由紀恵の部屋を繋げる改築工事を先日終えた所だ。


今日の結婚式には幾太と勇気、真波もわざわざ帰国してくれ出席してくれた。

かなえさんも、披露宴には来てくれて目を潤ませて『本当におめでとう』と祝福してくれた。


お腹の膨らみが目立ってきた結実も、たっくん…いや、元支部長も出席してくれた。今は本部の企画部長様だ。


幾太と勇気はまだ一緒にシェアハウスに住んでいる。
もちろん、結婚の話が出た時点で二人とも引っ越すと言い出したが、子供が出来るまでは居て欲しいと逆に俊哉と二人で頼み込んだ。


最近、俊哉の出張が多くて週の半分、家を空けてしまう事があったために『不用心だ』と過保護さを発揮した結果、ルームシェアは続行されることとなった。
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