常務の愛娘の「田中さん」を探せ!
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その週の金曜日の夜。
茅場町駅の近くにある、全室個室で合コン御用達の古民家風の居酒屋で。

小田は真っ青になっていた。
メンバーがとんでもないことになっていたのだ。

上條課長と隣に座る自分、そして向かいに座る田中 あづさは想定どおりだが……

なぜか、彼女の両側には、まるで黄門様を守る助さん角さんのように、FA課の両巨頭……平たく言うと、「二大お局さま」……吉川(よしかわ)中西(なかにし)が鎮座している。

さらに。

「いやーっ、遅くなって悪いねー」

と個室の入り口の(ふすま)をガラッと開けて入ってきたのは。

「お、おいっ、なんでおまえがここにいる!?」

上條課長がびっくりするのも無理はない。
営業一課の水島課長だった。

上條課長が、どういうことだ?と小田を睨みつける。小田はぶるぶるぶると首を振る。

……確かに同じ二課の後輩、山田(やまだ)をメンバーにしたはず。

「会社で、そろそろ帰ろうかと支度してたら、きみの課の山田君が突然お腹が痛くなったらしくてね。仕方ないから、僕がピンチヒッターを買って出たよ」

王子さまのような高貴な笑顔で、水島課長はしれっと言った。

小田は掘り炬燵(ゴタツ)になっている座卓の下で、すばやくLINEをチェックした。

【小田さん、すいません。突然、水島課長が現れて、あれよあれよという間にメンバーチェンジさせられてしまいましたm(_ _)m 】

とともに、

【大変申し訳ございません】

と土下座したサラリーマンのスタンプが届いていた。

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