常務の愛娘の「田中さん」を探せ!
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母親はここ数日、娘の首元に赤い印が施されているのに気がついていた。
だから……遅かれ早かれ、こんな日が来るのではないかと思っていた。
むしろ、亜湖の年齢からすると遅いくらいだ。
なぜなら、自分がその歳の頃、すでに子どもを産んで母親になっていたからだ。
手塩にかけて育てた愛娘に、一晩帰って来ないほどの好きな人ができたのだ。
もちろん、寂しい気持ちはある。
だけど、異常なほど過保護の父親や兄の下で、亜湖に恋愛するチャンスがあるのかどうか、ずっと気がかりだった。やっと年頃の娘らしい状況になったようなので、安心してホッとした気持ちの方が大きかった。
だが……父親や兄に言えば、面倒くさくなること必至だ。
幸い父親は名古屋に単身赴任中だし、兄は実家を出て一人暮らしするようになってから年に数えるほどしか帰省していない。
しばらく自分の胸の中だけに収めておこう、と思った。
「……とはいえ、今まで免疫のない子だから、いったん好きな人ができると暴走しそうで怖いのよね」
母親は腕を組んだ。
……とりあえず、どんな相手なのかは、わたしがちゃんと見ておかないと。
再び電話が鳴った。母親が受話器を取る。
「……はい、田中でございます」
『あ、おかあさん?何度もごめんなさい』
亜湖だった。
『あのね、彼がね……あっ』
ガタッと物音がして、
『……突然、申し訳ありません』
男の声が聞こえてきた。
……わっ、ほんとに「大切な人」と一緒だったんだわ。
母親はここ数日、娘の首元に赤い印が施されているのに気がついていた。
だから……遅かれ早かれ、こんな日が来るのではないかと思っていた。
むしろ、亜湖の年齢からすると遅いくらいだ。
なぜなら、自分がその歳の頃、すでに子どもを産んで母親になっていたからだ。
手塩にかけて育てた愛娘に、一晩帰って来ないほどの好きな人ができたのだ。
もちろん、寂しい気持ちはある。
だけど、異常なほど過保護の父親や兄の下で、亜湖に恋愛するチャンスがあるのかどうか、ずっと気がかりだった。やっと年頃の娘らしい状況になったようなので、安心してホッとした気持ちの方が大きかった。
だが……父親や兄に言えば、面倒くさくなること必至だ。
幸い父親は名古屋に単身赴任中だし、兄は実家を出て一人暮らしするようになってから年に数えるほどしか帰省していない。
しばらく自分の胸の中だけに収めておこう、と思った。
「……とはいえ、今まで免疫のない子だから、いったん好きな人ができると暴走しそうで怖いのよね」
母親は腕を組んだ。
……とりあえず、どんな相手なのかは、わたしがちゃんと見ておかないと。
再び電話が鳴った。母親が受話器を取る。
「……はい、田中でございます」
『あ、おかあさん?何度もごめんなさい』
亜湖だった。
『あのね、彼がね……あっ』
ガタッと物音がして、
『……突然、申し訳ありません』
男の声が聞こえてきた。
……わっ、ほんとに「大切な人」と一緒だったんだわ。