常務の愛娘の「田中さん」を探せ!
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「おい、ビルマ!」
二人で個室を出て、店の入り口に向かいながら、大地は声を掛けた。
「……」
水島は何も答えない。
「おい、竪琴!」
「……」
「おーい、上等兵‼︎」
「……おまえ、いい加減その呼び方、やめろ」
これ以上ないほど顔を顰めた水島が、低ーい声で言った。普段の愛想の良い彼からは、想像もできない苦り切った声だ。
同じ中学だった頃、夏休みに出された読書感想文の課題図書の一冊に「ビルマの竪琴」があった。
主人公の「水島上等兵」にちなんで、大地は彼をそう呼ぶようになった。
もちろん、人前では控えているが。
両側に個室が並ぶ細い通路を一列で歩くため、前の大地は後ろの水島を振り返りながら声をかけていたので、向こうからやってきた人に危うくぶつかりそうになる。
「……大地、あの程度で酔っ払ってるはずないだろ。いい歳してふざけるなっ」
いくら温和と言われる彼でも、精神年齢の低いところのある従兄弟にはいらいらさせられた。
「おい、ビルマ!」
二人で個室を出て、店の入り口に向かいながら、大地は声を掛けた。
「……」
水島は何も答えない。
「おい、竪琴!」
「……」
「おーい、上等兵‼︎」
「……おまえ、いい加減その呼び方、やめろ」
これ以上ないほど顔を顰めた水島が、低ーい声で言った。普段の愛想の良い彼からは、想像もできない苦り切った声だ。
同じ中学だった頃、夏休みに出された読書感想文の課題図書の一冊に「ビルマの竪琴」があった。
主人公の「水島上等兵」にちなんで、大地は彼をそう呼ぶようになった。
もちろん、人前では控えているが。
両側に個室が並ぶ細い通路を一列で歩くため、前の大地は後ろの水島を振り返りながら声をかけていたので、向こうからやってきた人に危うくぶつかりそうになる。
「……大地、あの程度で酔っ払ってるはずないだろ。いい歳してふざけるなっ」
いくら温和と言われる彼でも、精神年齢の低いところのある従兄弟にはいらいらさせられた。