常務の愛娘の「田中さん」を探せ!
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大地は、四階にある大会議室から出て、三階の社食前にある「リフレッシュコーナー」という名の自動販売機へやって来た。
終業時間からかなり経っているから、すでに夜間電灯だけになっている。
暗がりの中でもそこだけ光って見える自販機の、ユニマットの「コーヒー【ブラック】」のボタンを押す。機械の中でカップがころん、と降ってきて、コーヒーが上からぽたぽた落ちてくる。
……疲れた……精神的に、どっと疲れた。
「……タバコ、吸いてえ」
やめてずいぶん経つのに、こういうときは無性にほしくなる。
なだれ込むように喫煙ルームへと向かう流れに逆らってここへ来た。どうやら、水島は抗えなかったようだ。あいつもやめてずいぶん経つというのに。
「お疲れさまです……上條課長」
だれもいないと思っていたベンチソファに、女が一人座っていた。
あさひ証券では女子社員のほとんどが制服姿だ。
事務職は、パステルブルーのストライプの入った白いブラウスにブルーのスカーフ、紺のベストとタイトスカートを着用している。
営業職でも一階の店頭に陣取るFA課は、女子社員のみ制服で、紺のベストとタイトスカートは事務職と同じだが、パステルピンクのストライプが入った白いブラウスにピンクのスカーフである。
だが、目の前の女は制服ではなく、グレーのパンツスーツを身にまとっていた。
突然、こんな暗がりで声を掛けられて、少し怪訝な顔になった大地に、彼女は自己紹介した。
「あの……わたし、法人営業課の田中 沙恵子といいます」
疲れ切った大地の目に少し輝きが戻った。
大地は、四階にある大会議室から出て、三階の社食前にある「リフレッシュコーナー」という名の自動販売機へやって来た。
終業時間からかなり経っているから、すでに夜間電灯だけになっている。
暗がりの中でもそこだけ光って見える自販機の、ユニマットの「コーヒー【ブラック】」のボタンを押す。機械の中でカップがころん、と降ってきて、コーヒーが上からぽたぽた落ちてくる。
……疲れた……精神的に、どっと疲れた。
「……タバコ、吸いてえ」
やめてずいぶん経つのに、こういうときは無性にほしくなる。
なだれ込むように喫煙ルームへと向かう流れに逆らってここへ来た。どうやら、水島は抗えなかったようだ。あいつもやめてずいぶん経つというのに。
「お疲れさまです……上條課長」
だれもいないと思っていたベンチソファに、女が一人座っていた。
あさひ証券では女子社員のほとんどが制服姿だ。
事務職は、パステルブルーのストライプの入った白いブラウスにブルーのスカーフ、紺のベストとタイトスカートを着用している。
営業職でも一階の店頭に陣取るFA課は、女子社員のみ制服で、紺のベストとタイトスカートは事務職と同じだが、パステルピンクのストライプが入った白いブラウスにピンクのスカーフである。
だが、目の前の女は制服ではなく、グレーのパンツスーツを身にまとっていた。
突然、こんな暗がりで声を掛けられて、少し怪訝な顔になった大地に、彼女は自己紹介した。
「あの……わたし、法人営業課の田中 沙恵子といいます」
疲れ切った大地の目に少し輝きが戻った。