常務の愛娘の「田中さん」を探せ!
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田中 沙恵子が「大地先輩」を初めて見たのは、友達が一人では不安だと言われて一緒に入ったサークルの、新歓コンパだった。

生まれ育った名古屋から大学進学のために上京して、初めてできた友達の頼みだったので断れず、正直言って気乗りしない呑み会だったのだが。

二年生ながら就活で忙しい三年生に代わって、すでに幹部の仕事をしていた大地は、豪快にビールを呑んで笑っていた。
黙っているときはちょっと近寄りがたい尖った雰囲気だったのに、まるで少年のように屈託のない笑顔になっている。

……その笑顔に、一瞬で、堕ちた。

未成年でまだ烏龍茶しか飲めなかったので、いつか先輩と一緒にお酒を呑みたい、と強く強く思った。だけど、大地の周りにはいつも、綺麗で華やかな、まるでモデルのような(実際に有名女性誌の読者モデルもいた)美人が群がっていた。

無理もない。一八〇センチの長身で、切れ長の目にスッと鼻筋の通った端正な顔立ちの大地を、だれが放っておこう。
中でも、選りすぐった超美人が彼の「専属」となった。

でも、なぜか見るたびにその相手が変わっていた。

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