マドンナブルー
美奈子の家を出た後の杜は、夜の街をさまよっていた。だいぶ歩いた。どこか繁華街のようだ。そのため街が放つ光で明るい。杜は大勢の人々と行き交うが、彼の行く先だけ道が開けている。彼の腫れ上がった不気味な風貌が人々にそうさせた。
杜の足は路地に迷い込んだ。すれ違いざま、誰かの肩とぶつかった。
「いてーなガキ!どこ見てんだ!」
杜は罵声を投げつけられた。若い二人組みの男性である。仕事帰りにちょっと一杯という風体だ。男の怪しいろれつから、すでに酒が入っているのがわかった。
杜は悪態をつくように、ぺっとつばを地面に吐き出した。そして鋭い視線を横目で男に送った。
「なにガン飛ばしてんだよ!」
男の蹴り上げた足が杜の腹に入り、無抵抗だった杜は数メートル吹っ飛んだ。その先に都合よくごみ集積所があり、山積みの膨らみが彼を受け止めた。いぜんとして杜に襲い掛かろうとする男を、連れの男があわてて止めに入った。男はチッと舌打ちし、
「ガキはさっさと家に帰って母ちゃんのおっぱいでも飲んで寝てろ!」
捨て台詞を吐き、口惜しそうにその場から立ち去った。
杜はごみのクッションの上に横たわったまま、茫然と空を仰いだ。やがて、ぽつぽつと雨粒が落ち始めた。
杜の足は路地に迷い込んだ。すれ違いざま、誰かの肩とぶつかった。
「いてーなガキ!どこ見てんだ!」
杜は罵声を投げつけられた。若い二人組みの男性である。仕事帰りにちょっと一杯という風体だ。男の怪しいろれつから、すでに酒が入っているのがわかった。
杜は悪態をつくように、ぺっとつばを地面に吐き出した。そして鋭い視線を横目で男に送った。
「なにガン飛ばしてんだよ!」
男の蹴り上げた足が杜の腹に入り、無抵抗だった杜は数メートル吹っ飛んだ。その先に都合よくごみ集積所があり、山積みの膨らみが彼を受け止めた。いぜんとして杜に襲い掛かろうとする男を、連れの男があわてて止めに入った。男はチッと舌打ちし、
「ガキはさっさと家に帰って母ちゃんのおっぱいでも飲んで寝てろ!」
捨て台詞を吐き、口惜しそうにその場から立ち去った。
杜はごみのクッションの上に横たわったまま、茫然と空を仰いだ。やがて、ぽつぽつと雨粒が落ち始めた。