マドンナブルー
咲羅は、ふたたび安藤を避けるようになった。早朝の美術室には行かなくなった。安藤のほうから来るよう促されることもなかった。
冬休みに入った。咲羅はバイトに精を出していた。クリスマスイブもクリスマスも、バイト先で過ごした。
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日差しの暖かいある日、咲羅は課題を調べるため、図書館を訪れていた。洋書コーナーを何気なく通ったとき、ふと、シドニィ・シェルダンの差し札が目に留まり、安藤が好きだと言っていたことを思い出した。彼が特にすすめていた『真夜中は別の顔』が、都合よく上下巻ともにそろっており、咲羅はそれを借りて帰った。
ラストが重く、心にのしかかった。手に汗にぎるドラマティックな展開が、世界各地を舞台に繰り広げられたその物語は、父親の愛情を知らずに育った、愛に飢えた女性の一生をつづったものだった。かつての愛人の策略により、恋人もろとも処刑台に送られるという、破滅の一途をめぐった哀れな女性・・・・・・。
読み終えた咲羅は、後味の悪さに、ぼうっとした。そして、ベッドにごろんと横になった。室内は、すでに薄紫色に包まれている。天井を見つめながら、安藤を思い浮かべた。彼が恋しくて、会いたくて、どうしようもなかった。
冬休みに入った。咲羅はバイトに精を出していた。クリスマスイブもクリスマスも、バイト先で過ごした。
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日差しの暖かいある日、咲羅は課題を調べるため、図書館を訪れていた。洋書コーナーを何気なく通ったとき、ふと、シドニィ・シェルダンの差し札が目に留まり、安藤が好きだと言っていたことを思い出した。彼が特にすすめていた『真夜中は別の顔』が、都合よく上下巻ともにそろっており、咲羅はそれを借りて帰った。
ラストが重く、心にのしかかった。手に汗にぎるドラマティックな展開が、世界各地を舞台に繰り広げられたその物語は、父親の愛情を知らずに育った、愛に飢えた女性の一生をつづったものだった。かつての愛人の策略により、恋人もろとも処刑台に送られるという、破滅の一途をめぐった哀れな女性・・・・・・。
読み終えた咲羅は、後味の悪さに、ぼうっとした。そして、ベッドにごろんと横になった。室内は、すでに薄紫色に包まれている。天井を見つめながら、安藤を思い浮かべた。彼が恋しくて、会いたくて、どうしようもなかった。