溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜


千葉さんと九条さんは大学時代の友人らしく、今回HPの依頼のために千葉さんが九条さんに連絡してきたとか。

それならそれで初めから言ってほしかった。だってうんと年上のおじさんと、びしっとスーツを着て会議室なんかで打ち合わせをしないといけないとばかり思っていたから。昨夜だって緊張感からか、眠れなかったくらい。
それなのに私たちがここへ辿り着いた瞬間、

「京吾ー! 久しぶり! 待ってたよ!」

ぶんぶんと笑顔で手を振る千葉さんに出迎えられ、完全に拍子抜けしてしまった。しかも九条さんのことを下の名前で呼ぶから本当に驚いた。

確かにここへ来る途中、スーツを着た私に改まって話をする相手じゃないとは言っていたけど、それなら最初から大学時代の友人だと言ってくれたらよかったのに。どこまでも言葉足らずなんだから。

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