溺甘豹変〜鬼上司は私にだけとびきり甘い〜


「すみません、九条さん。私今日は予定がありまして」

いつもならプライベートは暇で暇で仕方ないくらいなんだけど。

「じゃあ仕方ないな」
「……すみません」

九条さんはチラリと落ち込む私を見た後、デスクへ戻っていった。Web講話はメール配信され、パスワードが必要。そして会社の端末でしか再生できない。だから携帯や家で見るというのは不可能なのだ。

せっかく声をかけてもらったのについてない。思わず小さくため息が出る。そんな私を真壁くんがニコニコしながら見ていた。

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