隣人はヒモである【完】
「学校は?」
「休み」
「いいね、学生は」
「あなただって毎日が休みじゃないか」
「……ああ、それもそうだね」
くあ、と大きく欠伸して伸びをしたレオさんは、トイレトイレ、と子供みたいに呟きながら立ち上がるとまるで自分ちのように躊躇なくトイレへとつづく洗面所へ。
ああ、お隣も間取りは一緒なのかな、超馴染んでやがる。
……この人、ちゃんと帰ってくれるのかな。
今日の夜も確か、秋元さんは帰ってこないって言ってたよね?
まさかこのまま明日まで居つくつもりじゃないよね。
今更だけど不安になってきた。
さすがのあたしでも、ていうかもともと長時間他人と同じ空間で過ごすのがすごく苦手なのに、1日2日も自分の部屋に居られるのはちょっとな。
念のためスマホを見てみたけれど、特に変わった様子はなかった。
ただ、未読にしていたはずのるいくんのラインは既読にされたまま放置されていた。……あいつ。
るいくんそういうのいちいち気にするから、絶対に次会ったときなんか聞かれる。……面倒くさいな。返信しなきゃ。