ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】
「ダルマさんが転んだ。ダルマさんが転んだ。ダ……
ザザザザザザッッ──
……ルマさんが転んだ」
「アレ……」
「ダルマさんが……
ズザザザザザッッ──
……転んだ」
タクミが公園の一角を凝視している。
「さっきまで、あんなのなかった……よな?」
頼るような問いかけ。
「ぅ、うん」
戸惑いながら、ピンちゃんが答えた。
「ダ・ル・マ・さ・ん・が・
ザザザザザザッッ──
……転んだ!!」
「う、う゛動いてる!?」
彼の戸惑いはさらに激化。
「どこ? どこだ!?」
僕には見えない。
「そこだよ゛!」
タクミのまっすぐに伸びた腕の先を見ても、やはり僕には見えない。
ザザザザザザッッ──
なにか重たいものが地面を這っているような、奇怪な音。
再度構えたカメラにも映らない。
だが、聴覚だけはしかと、“何者”かの存在を捉えていた。
……暗くて見えないだけか?
意を決し、シャッターを切る。
その瞬間!
「う゛あ゛あ゛ぁぁ!!」
ピンちゃんは叫び声をあげ、尻もちをついた。
雷よりも明るいフラッシュの閃光で、小指を繋いだ者たちだけが、その正体をようやく知る。