ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】



「ヒ、ヒトだ!!」

「オンナだ!!」

「ヤべ、逃げるぞぉ!!」

足がもつれながらも、公園から逃げだす3人。

残されたのは、


「ダルマさんが、


 ズザザザザザッ──


        ……転んだ」


最初の鬼である浩介と、音と、僕だけ。

「おい、お゛い! 逃げよう!! 早く! こう゛すけ―!」

兎にも角にも彼の腕を引くが、鉛のように重たい身体はびくともしない。



 ズザザザザザッッ──

ズッ──


 ザザザザザザッッ――


地面を這う音は、次第に近付く。

「クソ゛ッ、動けって!」

実態のない恐怖が迫りくる。



 ズザザザザザッッ――



今度は浩介の首を掴んで引いた。

すると、

「痛っ! なにすんの!?」

あっけらかんと言ってのける。


 ズズザザザザザッ――


「ひ゛ぃ!」

音がする方に視線を向けた浩介は、背骨を抜かれたように腰を落とす。

「なんだよコレ゛!?」

もう遅かった。

視線を追えば、わかる。

浩介の言う“コレ”は、すぐそこまで来ているようだ。

「くっ!」

僕はとっさに、木のうしろへと身を隠す。



 
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