ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】



「死ぬぞ。いいのか? 助かりたいんだろ?」

「「え!?」」

僕の傲慢な態度に、ふたりは驚きを隠せない。

「助かる方法は、ただ1つ。僕はそれを知ってる」

「ホント!?」

「あぁ!」

「「…………」」

あからさまに食いついてきた。

「だ、だったら言ってみろよ! その方法!」

次は、弱るまであえて泳がせる。

「ん? 僕なんか信用しない方がいいんだろ?」

「クッ……」

「とりあえず、謝れよ!」

「は!?」

「死ねって言ったこと、今すぐ謝れ! こ・こ・で!」

「テメ゛ェ、調子乗んなよ!」

僕の胸ぐらを掴む杉山さんの目は、まるで死んだ魚のようだった。

本当は、恐くてしょうがないんだろう。

「お゛ら! 早くしろよ」

「ッ……」

少なくとも今は、いつもみたいにペコペコ頭をさげて下手に出るより、よっぽど効果的なはず。

「ッッ……」

杉山さんの掴んでいた手の力が抜け、奥歯を砕かんばかりに歯を食いしばり、

「す、すまん」

と見事、僕に釣りあげられた。

「ボクも、祐一郎のこと信じるよ!」

おまけに、ピンちゃんも。

僕はベンチに座り、塔の上に備えつけられた時計を見た。

……まだ2時にもなってない。

無言のまま時間の経過を待っていると、痺れを切らしたピンちゃんが尋ねる。

「ねえ、そろそろ教えてよ! どうやったら助かるの?」

「……時が来たら話すから」

「公園から動かないってことはまさか、またアレをやるとかじゃないよな?」

鬼気迫る表情の杉山さん。

「…………」

彼らのためと思い、僕は沈黙を貫いた。



 
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