ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】



病院のベッドの上で目が覚めた。

傍らには畑山がいて、いかにも心配そうに私を見ている。

たまたま隣にいた看護師が主治医を呼びに行き、ほどなくして先生がやって来た。

『聴診器を当てますね』

阿吽の呼吸でカーテンが閉められ、畑山は焦って鞄を持つ。

『私は外に!』

『ダメです! 先生も見てください』

主治医は、私に同意を求めた。

『いいね?』

何をしようとしているのか読み取り、無言でうなづく。

『服を上げて』

『…………』

指示通り、人前で初めて服の内側を晒す。

『っ……』

半分は包帯、肌が見える部分はアザだらけ。そんあ私の身体を見て、畑山はすぐに目を背ける。

『先生、どう思われますか?』

厳しい視線を送る主治医。私が、人生の選択肢に医者を入れた瞬間だった。

『が……学校に戻らないといけないので私はこれで!』

場所が変わろうと関係なく、またも逃げだす。

でも、お灸を据えるぐらいにはなったはずだ。

『こんなになるまで……キミもだ!』

それは、私にとっても。

『はい……』

次の日、畑山は校長を連れて病室に現れた。

優秀だの皆勤だのあーだこーだ言っていたが、要約すると、残り約2カ月学校に来なくても卒業の資格をもらえるらしい。

さすがは評判がものを言う名門私立中学。私を目の上のタンコブ扱いしたのだ。

『それと、これ……』

帰り際に畑山が差しだしたのは、いくつかの高校がリストアップされた1枚の紙。

少しでも担任らしいことをしたつもりか。

このタイミングは、早く出て行け!と言われているような被害妄想的強迫観念を生む。



 
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