ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】



結局、母は退院するまでの1週間、一度も見舞いに来なかった。

反応次第では進学をやめようと決意して、あの紙を渡す。

『まだ決めてないんだ……どこがいいと思う?』

こんな親でも、養われていることに変わりはないから。

すると、

『あら、そうなの⁉ じゃ静岡の焼津に引っ越しましょ!』

半ば興奮気味に言う。

訊けば、今の恋人は漁師らしく、そこが地元。彼の近くに居たいという身勝手な理由だった。

だけどよくよく考えてみたら、私にとっても好都合。

『じゃ、静岡の高校を受けるよ。いい?』

『えぇ! でも、お金ないから公立にして』

その心配には及ばない。希望した私立の女子高は、特待生としての席を用意してくれた。

入試試験が免除され、面接に臨んだが、

『なぜキミのような子が我が校に?』

などと、まるで接待。

卒業式を待たぬまま、私たち親子はひっそりと静岡に転居する。

悪夢の日々がこれで終わった。そう思っていた。

しかし、現実は地獄の入口に立っただけ。

信じがたい秘密と粉々に砕かれた自尊心が、私を地獄の果てへと誘う。

そこで生まれた。出会ってしまったのだ。

【復讐】という信念に。伊達磨理子という存在に。

高校2年の冬。

私は死ぬことを選んだ。

もしも、これから死のうとしている人が居るならば聞いてほしい。

あなたは今、特別な権利を持っていると。

「死ぬ気でやる!」
「死に物狂いでがんばる!!」

なんて簡単に言うヤツがいる。

だけどそれは、一度でも自ら命を断とうとした者だけが持てる特権。

その瞬間のことを思い出したら、生きていくのに邪魔をするプライドや恥と過大評価の恐れなんて、とてもちっぽけに思えて乗り越えられるはず。

これが私の生き方。この言葉があなたの心で生き続けたなら、私は死んだことにはならない。

そう信じている。

では、さようなら——。





            【完】
< 160 / 160 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:23

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ 【完】

総文字数/108,848

ホラー・オカルト161ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
666 名前:伊達磨理子[] 投稿日:2010/2/29 03:33:33.33 ID:dEathgAME 【だるまさんが転んだ】 これは呪われた遊びです 1. 午前3時03分であること 2. 参加する者は、鬼から数珠繋ぎで小指を結ぶこと。 3. 座って行うこと 一度始めてしまうと、終わりの儀式を行うまで、毎夜3時03分~3時33分まで鬼を探し続けます。 捕まった者は罰として手足を頂戴します 鬼が死亡した場合、指で繋がれた者が次の鬼となります。 助かる方法はただ1つ  
ダ・ル・マ・さ・ん・が・コ・ロ・シ・タ2 【完】

総文字数/106,036

ホラー・オカルト172ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
【ダルマさんが転んだ】 これは呪われし禁断のゲームです。 まずは鬼を決めてください。 参加する“子”は、あらかじめ鬼から数珠繋ぎで小指のみを結んで待つこと。 午前3時3分、最初の鬼が「ダルマさんが転んだ」と唱えます。 その際、座って行うと良いでしょう。 ※注意※ ①一度始めてしまうと、終わりの儀式を行うまで、毎夜3時3分~3時33分の間に四肢を失った邪悪な霊が、鬼だけを追い続けます。 ②捕まった者は、罰として手足を失います。 ③鬼が死亡した場合、小指で結ばれた者が自動的に次の鬼となります。 助かる方法はただ1つもありません。  
ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】

総文字数/104,467

ホラー・オカルト163ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
【ダルマさんが転んだ】 これは呪われし禁断のゲームです。 まずは鬼を決めてください。 参加する“子”は、あらかじめ鬼から数珠繋ぎで小指のみを結んで待つこと。 午前3時3分、最初の鬼が「ダルマさんが転んだ」と唱えます。 その際、座って行うと良いでしょう。 ※注意※ ①一度始めてしまうと、終わりの儀式を行うまで、毎夜3時3分~3時33分の間に四肢を失った邪悪な霊が、鬼だけを追い続けます。 ②捕まった者は、罰として手足を失います。 ③鬼が死亡した場合、小指で結ばれた者が自動的に次の鬼となります。 助かる方法はただ1つもありません。  

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop