ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】
僕は、康文の肩を叩いて励ました。
「気にすんなって!」
しかし彼、スッと顔を上げて口角を緩ませる。
「別に。あいつと話してるだけで不毛だから」
「ぇ⁉」
「……フッ。だってさ、金メダルを獲るために日々努力してる俺と、髪を金にしてイキがってる社会のクズだよ? 相手にするだけ時間のムダでしょ」
「ャ、ヤス……」
これには驚いた。僕の知らない彼が目の前にいるから。
いや、7年の間に多少なりとも人格が変わるのは、むしろ当たり前のことなのかもしれない。
同窓会など所詮、"ひさしぶり"が放たれる数だけ疎遠を露呈する、薄っぺらい友情の集まり。
大人になっていくのはそういうものだと幼心が知っていれば、くだらないしがらみに縛られず、おそらくイジメも減るだろう。
僕はそんなことを思いながら、幹事として当然の務めだと、旧友の仮面を被ったまま他のテーブルを回る。
そこで改めて連絡先を笑顔で交換。
ソツのない挨拶回りを終えて、一息つきながら定位置に戻った、その直後!!
「ぇ⁉」
「何⁈」
「マジ……」
「っ⁉」
同じテーブルに座る8人の携帯が一斉に鳴った。
「メールだ」
「……フェイクブック?」
本文の一行目には、【大貫幸恵さんからのメッセージ】と書かれている。
「なんだよ……これ」
URLを開いた僕は、思わず声を上げた。