ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】
「呪いのゲームの話はしたのか?」
「い゛言うわけないじゃん! 鼻で笑われるだけだよ」
「……たしかにそうだな」
相手は大人。ましてや自分たちだって。
僕が同じ立場でも、昨夜送られてきたメッセージのことは言わないだろう。
とにかく今は、直哉が亡き存在になった現実を確かめたい。
「あの!」
【開桜中学校OB殺人・死体遺棄事件合同捜査本部】
その立派な戒名が貼ってある扉を叩く。
「何か思い出したことでもあった⁈」
すぐさま、茜の顔を見て、ひとりの刑事が走り寄ってきた。
僕が代表し、切なる願いを申し出る。
「そうじゃなくて、ナオヤに会いたいんです。遺体は今どこにありますか?」
「ぇ……」
「お願いします! アイツに会わせてください!」
刑事は困り果てたようにえりあしを掻き、淡々と語りだす。
「切断部分の損傷が激しくてね、手足を胴体につなげてあげることができなかったんだ……俺たち刑事でもあまり見ないほど、彼の遺体はむごたらしいものだよ。だからやめといたほうがいい。女の子はなおさらね」
後ろにいる彩矢香と茜の顔を確認。すでに涙を浮かべて視線を伏せている。
「や、やっぱりいいです……行こう」
その判断は賢明だと、我ながら思った。
粛々と警察署の外に出て、真っ青な空を見る。
いつもなら、昼間に見える白い月を見つけたとき、気分が上がる自分がいた。
しかし今日ばかりは、ただ霞んで見えるだけ。
直哉を殺したのは一体誰なのか。
それが大貫幸恵だとしたら、これが復讐だとしたら、まだ始まりにすぎないのか。
呪いのゲームへの招待に、公園に現れた“アレ”の正体。
これらの真実もまた、ただ霞んで見えるだけ。