ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】



直哉の事件が昼過ぎの全国ニュースで取り上げられた。

最もクローズアップされていたのは、その残虐性に富んだ殺害方法よりも、“イジメの末路”というメッセージ。

すぐに【3年1組】という名のグループを作り、今朝まで一緒にいたメンバーを呼び集める。

数年前まで賑わっていたファストフード店のテーブル席をつなげて陣取り、彩矢香や茜と皆の到着を待つ。

「タツミ!」

数十分後、真っ先に現れたのは山口だ。

彼は額に汗をかきながら、5W1Hを網羅する。

その取り乱した様は尋常じゃない。

「大貫か⁉ なぁ゛、犯人は大貫なのか⁉」

「……わからない。いまのところはまだ……」

僕が行き詰った答えを返すと、一瞬で場の空気が息詰まる。

「俺も絶対に殺される……」

「え⁈」

「ぃ、いや! ななんでもない」

そのとき、

「「サヤ!」」

美佐子とはるかがやって来た。少し遅れて亮平に玄。

そして、一番最後に康文。

「悪りぃ! 練習が長引いて」

またも上下ジャージ姿で現れた彼。

僕はある不信感から、イヤミが口をついて出た。

「同級生が死んだのに、よく走ってられるな!」

「……タツミ? どうした、そんな恐い顔して」

「お前、なんで電話に出なかった?」

「は?」

「昨日だよ! お前だけ連絡がつかなかったよな」

「それは! だから……」

康文は皆の顔を見るが、誰も視線を合わせない。

おそらく、僕と同じことを考えているのだろう。

無言の後押しを背に、このまま突っ走る。

「昔からナオヤとは折り合いが悪かったし、昨日だってモメた。二度も。……僕が言いたいこと、わかるだろ?」

「……そっか。俺には動機があるしアリバイも無い。みんな、俺を疑ってるんだろ?」

――……。

康文は一人ひとりの目を見ていく。

すると、まるで催眠術にかけられたかのように次々と視線が沈む。

だが、彩矢香だけは違った。



 

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