ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】
「もしかして……」
彼は言う。
開桜中に親しい友人がいなかった大貫だが、小学時代にはひとりだけいた、と。
「名前は有村そら。大貫とは真逆の性格で、明るくて活発だった。何より、曲がったことが嫌いで正義感に溢れてた」
「そいつがどうした?」
「いつも一緒にいた親友だから、彼女の代わりに復讐してもおかしくない」
あまりに出来すぎた推測の前に、美佐子が立ちふさがる。
「でもさ、ユキダルマが死んだのは1年前でしょ。私たち関係なくない? だって卒業してから6年も経ってるんだよ⁉」
「……言われてみればたしかにそうだな」
「イジメが原因じゃなくて、何か別の理由があったのかも」
——……。
沈黙の中だと、虫の息のような声でも辺りを貫く。
「私、恐い」
次は自分かもしれない、と顔が青ざめるはるか。
「心配しないで。今夜は私が傍に居てあげるから!」
「……サヤ。ありがとう」
彩矢香の優しさに感化され、熱情が膨らんだ。
「僕も! ……いいだろ?」
本当の目的を知らず、はるかの頬がほんのり緩む。
「うん。男の人も居てくれると心強いかな」
これでまた彩矢香と同じ時間を過ごせる。
僕はそう心の中で歓喜した。
「そんならオレらは今夜ハタセンを張ってみるか! な?」
「……ぇ、俺も?」
玄の提案に、巻き添えとなった康文と山口。
「何か変わったことがあったら、僕にすぐ報せてくれ」
「おう。任せとけ!」
兎にも角にも、今夜は長い夜となりそうだ。