ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(上) 【完】
話は1年前に遡る――。
その時からすでに、畑山は大貫幸恵の自殺を知っていた。
「と言うのも、葬儀の参列者名簿に名前があったからね」
しかし、昨日と今日の取り調べで一貫して、彼女に呼び出されたと供述している。
「教職を辞めたのが1年前。精神科に通院するようになったのも同じ時期。教え子の自殺はヤツを変えたんだ」
警察の見立てはこう。
イジメを黙認した後悔の塊がやがて、制裁の鬼と化した。
すなわち、亮平の胴体と手足を持ち去って遺棄した若者は、畑山の仲間である可能性が高い。
ここまで明かし、斎藤がジャケットの内ポケットから名刺を出して全員に配りはじめた。
「何か手がかりになるようなことがあったら個人的にでも教えてくれ。あと、一つ忠告しておくよ! キミらも気をつけたほうがいい」
「ッ⁈」
畑山からも発せられたこの言葉。あれは助言ではなく、警告だったのか……。
「大丈夫?」
刑事が去り、静まり返る病室。
彩矢香は椅子にへたりこんだ康文を気遣う。
その優しさが起爆剤になったのか、ポツリと衝撃を吐きだした。
「星都小は、俺と大貫の母校なんだ」
「「ぇ⁉」」
彼女の通った中学で直哉の遺体、小学校では亮平の遺体。
これは単なる偶然で片付けられない。
「担任なら知ってるよね……ふたりの出身」
「じゃ、やっぱり先生が⁈」
動機は恐らく、
「罪滅ぼし……」
美佐子がつぶやいたとおりのそれだろう。
「ぁ!」
突然、康文は何かを思い出したように顔を上げる。