ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】
私の知識と技術をもってすれば、復讐は簡単だった。
まずは当時のことを知る人物にリサーチし、常人では不可能な方法で個人情報を集める。
これを駆使して、そらを追いつめた全員の顔や素性を動画サイトにアップし、身辺に怪文書を送りつけたりした。
結果、加害者たちは社会的制裁を受けることになる。
がしかし同時に、私も犯罪者として追われる身になった。
正しいことをやっているつもりでも、世間的には同じ“悪”と見なされた孤立無援のマイノリティー。
これでは足りない。もっと扇情的に、国民をも巻き込まなければ。
そらは学校の舞台で自殺した。最期も彼女なりの自己主張で、いじめがなくなるように願い、あえてその場所を選んだに違いない。
この世界からいじめを根絶しなければ、本当の意味で無念が晴れたことにはならないのだ。
私は模索する日々が続いた。どうしたらそれが可能になるのか。
考えて、考えて、考え抜いた。
そのモチベーションの維持に一役買ったのは、自らの忌まわしい記憶だ。
パソコンの前でふと、ひとつの言葉が頭を過ぎる。
【ダルマ】
当時、私がそう皆から揶揄されて笑われた。
ほんの軽い気持ちで検索をクリックすると、そこに道しるべが現れる。
伊達磨理子。この名がいくつもあった。
ほとんど信憑性の低い三流記事の中で、一際目を引くモノを見つける。
≪伊達事件の闇≫
まだ発売されたばかりの冴野将輝という著者が出した暴露本だ。
どうしてこの本に惹かれたのかは分からない。
すぐに手に入れ、眠ることも忘れて読みふけった。