ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】
本の中には、哀しき女の一生が描かれていた。

私に起こったことなど、絶望と呼ぶにはおこがましいと思えるほどの。

その日から伊達磨理子のことが頭から離れなくなって、連日連夜さらに掘り下げて調べた。

すると、1年以上前に起きた全国連続不審死事件が、彼女の呪いによるものだということが判明した。

『これだ……』

普段から独り言を一切発しない私の口から思わず言葉が漏れる。それほどに、彼女はこの心を虜にしてした。

会いに行かないわけがない。すぐに住所や本名を入手し、著者の自宅を訪ねる。

その顔を見た瞬間、すべてが運命で繋がっていると確信した。

『あなた……たしか、火葬場で?』

著者は、死を迷わせるきっかけとなった、あの3人組のひとりだったからだ。

とても有意義な時間を過ごし、帰るときには無意識に肩が揺れていた。

世界を動かし、追われないツールを手に入れたから。

あとは綿密な計画を練るだけと、将来に燦々たる目標ができた。

そうした矢先、一本の電話から足止めをくらう。

『さっちゃんかい?』

この声を聞いた時、激しく咎められると思った。

平穏を取り戻しつつあった娘の不慮の死を、再び白日の下に晒したから。

『ちゃんと病院に行ったかい?』

どうやら違ったみたい。ホッと胸をなでおろす。

『ぇ、ぁ、いや……』

そういえばあの日の帰り際に、大きな病院を受診するように忠告されていたことを、いまの今になって思い出す。

『その様子じゃ行ってないね? わかった。段取りはこっちでする。さっちゃんは会社に休職願いを書きなさい』

『ええ⁉』



 
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