ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】




初めての試験となる米国での入国審査。鼓動が耳から飛び出るほどの緊張は、ものの1分で終了した。

完璧な計画を発動するまでの時間はたっぷりある。

白い肌だと整形手術の痕が赤く目立つから、小麦色になるまで肌を焼いた。

声を変えるために、アルコール度数の高いお酒を呑んで喉も焼いた。

さらに、宝泉賢矢の世話焼きになれるよう経営学修士を取得。

その間、復讐の騎士団に新たな仲間が増えていった。

入団の規定は発足時とほぼ変わらない。

復讐を望む者に対象者の身辺調査や詳細な個人情報を示し、実行したいなら命を懸けろと言うだけ。

立派に作り上げた絞首台を見て、大半の者がそこで逃げ出す。生半可な決意など要らないから、去る者は断じて追わない。

割合的には10人に1人が、こちらの要求通り命を差しだす。

首を吊り、気を失ったらすぐにロープを下ろして、再び目覚めた時こう宣言する。

『ようこそ、復讐の騎士団へ』

と。

そのすべての対象者が我々の生贄となり、順番を待つ数は50名を超えていた。

供える神はもちろん、伊達磨理子だ。

彼女をもう一度現世に呼び戻す復活の儀式とそのツール。

『磨理子さんの怨念はこの世から消えましたよ。僕が成仏させたんです』

この言葉にすべてが詰まっていた。

仲間に大橋敬太の誘拐を指示し、彼女の墓の前まで連れて来させる。

顔の覆いを取ると、二度も運命的な出会いをした私に向かって、

『お前は誰だ⁉』

と言った。

そうね。私も鏡を見ると、同じことを言ってたまに笑う。

以前とは全然違う顔、縦に長い背中の手術痕。

まるで、着ぐるみに包まれているみたいだから。



 
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