ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】



AM3:04

大橋敬太は拒んだ。墓石の下から取りだした伊達磨理子の遺骨を前にして。

『さぁ、呼びかけて。アナタが甦らすのよ』

『断るッ! 磨理子さんには、もう誰も殺させない!』

『新世界創造のために彼女が必要なの』

『知る゛かっ!』

『…………』

彼は正義感を絵に描いたような人間。こうなることは想定済み。

不本意だが、大義のための犠牲になってもらうしかない。

『アナタの意思が拒絶するなら、彼女の意志で甦ってもらうわ』

『やめろ! 触るな゛!』

私は蓋を取り除き、中の遺骨を露わにする。

その上に彼の腕をかざし、

『何を⁉』

私の合図で、仲間が手首を切った。

『ぐぅわッ! っっ゛……』

『この骨壺がアナタの血で満たされたら、磨理子様……彼は死ぬわ!』

『や゛……めろ』

『磨理子様。どうかこの世界にもう一度甦ってください!!』

鮮血の点がやがて深紅の水面となり、徐々に潮位を増していく。

『磨理子さ゛ん……聞いちゃダメだ!』

致死量は約2リットル。30分もしないうちに彼は死に至る。

これは一発勝負のギャンブルではない。

大橋敬太だけが呪いを浄化できたなら、裏を返せば、彼のみぞ甦らせることができる。

『ダ、っ゛……ダメだ、出てきたら゛……』

その時!

——ゴグォ。

『ハ⁉』

大地が……。

——ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ。

激しく痙攣しはじめる。

『来た!!』



 
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