ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】
——グゴゴゴゴゴゴッ。
ついに始まった戦慄のセレモニー。
——ボゴボゴグッボゴボゴッ。
『どこだ⁈』
どこからともなく聴こえてくる不協和音。
私は、墓地を囲む森の中から無数の目を感じ取っていた。
全員がそうで、懸命に辺りを見回す。
『ぁ……あ゛、あそこ』
ほどなく、ひとりが指を向けたその箇所は、荒ぶる土の上。
——ボグボゴボゴゴゴッ。
『ま、磨理子様……』
いた。居た。
地中より這い出る、怨念よりの使者。
——ズジャザザザザザザッ。
『…………』
——ザザザザザザッ。
これが、伊達磨理子か。
待ち望んだ初対面に、私は感極まって涙が溢れた。
そして、もうひとり。
『どうして……磨理子さん゛……ぅう゛』
——ズズザザザザザザッ。
カノジョは大橋敬太に向かって真っすぐに這う。
ルールなど関係なく、まるで愛息を抱き寄せたい母親のように。
——ザザザザザザザザッ。
『俺の゛せいで……ぅぐ……』
はたまた、禁断の恋を成就させるかのように。
感動と並走する不覚な嫉妬心が、私の手にナイフを握らせた。
『それ以上近付かないで! 彼を殺すわよ!』
『ぬぐぁ゛!』
——ズザザ……。
首筋に刃先を突き立てると、カノジョはいびつな歩みを止める。
ここからが儀式の本質。
『よく聞いてください。アナタには、我々復讐の騎士団の教祖になってもらいます。目的が果たされるその日まで、大橋敬太の命は我々の手中にある』
——……。
『これからアナタを呼ぶ呪文が聴こえたら、以前のように呪い殺してください。いいですね?』
——……。
『ッう゛……』
『彼に今すぐ止血を施さなければ危険な状態になります。ご理解頂けたのなら、消えてください。今すぐ!』
次の瞬間!
——バサバサバサバサバサッ。
数百羽のカラスが一斉に木々から飛び立った。