ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】



彼は生きることを選んでくれた。

その瞬間を水嶋くんに見られてしまったけれど、昨日より罪悪感はない。

どっちつかずのふしだらな女だからか、私に天罰が下る。

父が危篤状態に陥ったのだ。

急いで病院へと向かい、ベッドに横たわる憧れの人へ声をかける。

『お父様!』

ずっと呼びたかった。

『お父さん!!』

って。

だけど、いくら叫んでも反応がなくて、声が枯れるまで泣いた。

私のせい。復讐心が生んだ非情な顛末。

こんなことなら、真実なんか知らなきゃよかった。

こんなに苦しいなら、自分だけを殺めておけばよかった。

後悔してもしきれず、繋いだ力なき手に生気を送り続ける。

そんな私を見かねて、水嶋くんは病室の外に連れだした。

これまでよりも強く抱きしめられて、失くなりかけた生きる力を取り戻す。

彼は、「父親の傍にいてあげて」と言ってくれた。

上村くんのことが心配だったけれど、純粋にそうしたいと思ったし、終わらせる方法を熟知している彼のことを信頼していた。

誰も信じないし、誰も愛さない。そう心に決めたあの時の私はもういない。

仲間にも伝えた。今夜はゆっくり休んでいい、と。

私の復讐はここで終わらせるとも。

またも裏切られてしまうなんて思いもせずに……。



 
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