ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】
『走っている時はそうやって踏ん張れる。でも、そうじゃない時はいつも押し潰されそうになるんだ。なんであの時あいつを傷付けたのか、どうして助けてあげなかったのかって……』
『や……っ゛』
『死にたいんだ。会って、謝りたい。あいつを捜すためなら、いくらでも走れると思う。だからもう俺に構わないでくれ!』
捜さなくたって目の前にいるのに、上村くんは私に背を向けて去って行く。
気付いてほしい。振り向いてもらうには、たった一言でいい。
『やっくん!!』
彼は立ち止まった。
『やっくん! ねぇ……わかる?』
私は立ち止まらない。すべてが壊れようとも。
『まさか……サチエ?』
振り向いた彼の胸に飛びこみ、自ら一世一代の告白をする。
『そぅ゛だよ、サチエだよ。私はやっくんを許す。だからお願い、死なな゛い゛で!』
『……っう゛。ほ、ホントに、お前なの゛か……』
『来年は受け取ってくれる? 小3の時から渡せなくなったチョコレート』
『サチエ゛……生きてたんだな。ごめん、本当にごめん! オ゛レ、俺……』
彼は泣き崩れ、私の脚にすがりながら何度も謝る。
私も膝を落として、
『いいの』
と、その度になだめた。
この気持ちは愛か友情か。
行き先がわかるはずだったのに、さらに深い森で迷子になってしまう。