ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】
斎藤との約束を取りつけ、電話を切る。
ふたりはおそらく、大貫のことをもう一度洗い直すためにやって来るのだろう。
あわよくば同行できれば……。なんて期待が湧いたが、そう上手くことは運ばないだろう。
どうすればいいのか必死で考えたが、何も思いつかないまま朝を迎えてしまう。
辺りは白銀の世界で、本当なら感動の対面になったはず。
今、真っ白なのは頭の中だ。
「たっ……ちゃん」
彩矢香が目を覚ます。
2日続けてこうしていられるのは、夢でも見ない。
だから、その顔を焼きつけておく。
「もしかして、寝てない?」
「うん。ずっと考えてたんだ」
彼女の無垢な朝の顔はやはり美しい。1つ残念なのは、目覚めのキスが今日もお預けということぐらい。
「これからどうするの?」
「まずは、ここに行ってほしいんだ。浜田さんと斎藤さんがもうすぐ来る」
「……わかった」
一瞬の間は、主導権を僕に委ねるという了解だろう。
5㎞ほど車を走らせると、約束した道の駅があった。
道路にはそれほど影響はなかったが、駐車場は10㎝の積雪。関係者が忙しなく雪かきをしていた。
遅れること、15分。
「ホントに申し訳ない! 速度出せなくて」
言い訳からはじまる斎藤のお出まし。
会った目的は、例のアレだ。
「これか……車のどこに?」
「ここです」
「うーん。なるほど」
車の下を覗きこむ僕に、浜田は言う。
「宇治木警視正と知り合いなんだって? 昨日突然現れてまいったよ」
「えぇ、まあ……」
「あの人に会ってから、この事件に報道規制が敷かれた。解決しようが、このまま迷宮入りになろうが、世の中の人が知ることは無くなったんだ」
「…………」
斎藤ばかりに連絡していたからなのか。浜田の口調は少し怒り交じり。