ダ・ル・マ・3・が・コ・ロ・シ・タ(下) 【結】
音声はそこで終わっていた。
無性に胸騒ぎがして、すぐにもう1通のメールを開く。
《私の命で、未来ある君達の命を救えるのなら。
水嶋。もう安心していいぞ。
そして、ありがとう。
こんな教師を、同窓会に呼んでくれて。
嬉しかった。最後の良い思い出だ。》
「先生……」
まずい。これは、もう、あれだ、遺書だ。
『斎藤さん、大変です! 今すぐ先生の家に!』
ひとまず落ち着くようになだめられたが、僕の焦りに歯止めは効かず、
『わわかった! とにかく、張り込みの刑事を向かわせる。こっちからまた連絡するから』
そう言って、通話を切られた。
「くそッ……」
アイツらは、巧みに畑山を操ったんだ。
救える方法を示しておきながら、何度も絶望の淵に立たせて精神的に追い込み、真の条件を提示するという醜悪で狡猾な手段。
騙されてはいけない。これは罠だ。
『水嶋くん……』
斎藤からの折り返しの電話、その声は沈んでいた。
『すまない、間に合わなかったよ』
『…………』
畑山が死んだ。服毒自殺らしい。
僕がもっと早くにメールを開いていたら、こんなことにはならなかった。
美佐子の時もそう。自分という存在が、ふたりの死を招いたのだ。
『キミは今どこに?』
話題を変えることで、僕を落胆から引き上げようとする斎藤。
『今は……静岡のどこかです』
『静岡⁉』
当然、驚くだろう。
今日彼らが行くはずの場所に僕らがすでにいるのだから。
ここに、導かれた意味があると確信している。