片想いがバレたら一緒にいられないっ!
「あ!早く行かねーと!」

セイくんは思い出したかのようにそう言うと、あたしの手をグイッと引っ張って身体を起こしてくれた。

「まだ鐘鳴ってねーよな?」

「う、うん。」

「もう、ここ校舎の裏庭だから余裕だぜ。」

セイくんはあたしにカバンを渡しながら、そう言った。


周りを見渡してみてビックリ。

あたしが毎日のように通る裏庭だった。


「へぇー。ここに繋がってたんだ...。」

あたしが驚きながらキョロキョロしていると、

「オレだけが知る裏道!...多分。」

フフッと得意げに笑うセイくん。


「ま、運動音痴のお前には最初で最後だろうけど。」

「そ、そんなことないもん!」

「はいはい!そーですか!」

セイくんはあたしを適当にあしらうようにそう言うと、

あたしと目線を合わせるように腰を落とした。

「え?なに、急に....?」

あたしは突然のことで訳がわからず、首をかしげた。

「いーや。 "よく頑張りました" って言いたかっただけ。」

セイくんはそう言いながら、あのふんわりした笑顔をあたしに向けると頭を優しく撫でてくれた。
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