幸せの静寂
私たちは全国大会出場を目指して、練習に励んでいた。
「もっと走れ!」
「腰を落として!」
「気ぃ抜くな!」
様々な声やボールの音が飛び交うなか、皆が汗水流しながら練習をしていた。
私たちのこのクラブでは、練習で行ったサーブやレシーブなどを個人個人のデータとしてまとめている。そして、それらのデータを鑑みた上で、試合のメンバーの調整などを行っているのだが、最近、不調の人が一人いるのだ。松雪(マツユキ)夕(ユウ)。彼は、優秀なリベロで、これからののびしろにも期待できる人物だ。彼は、今までに怪我は打撲くらいで風邪もひいていない。現に今も、体に不調は見られない。
「どうしてでしょうね。」私は、右隣にいる来栖先輩に聞いた。
「うーん…試合に緊張してるとかじゃ無さそうだしねぇ」
「あっ、恋患いとか。」
「えー?松雪が?」
「いや、あり得るかもしれませんよ。」
「それじゃぁ、聞いてみる?」来栖先輩がニヤニヤ顔で言った。
「そうですね。」私もニヤニヤ顔で言った。女はこういう話が大好きなのだ。
練習が終わり、皆で片付けをし終わった後、私は来栖先輩とほぼほぼ強制的に連れてきた松雪君と三人で帰っている。
「・・あの、なんで僕は来栖先輩と南雲さんと帰っているんですか?」
松雪君がオドオドしながら聞いてきた。
「んー、最近恋してる?」来栖先輩がこれでもかというほどに直球で聞いたため、私も松雪君も面食らってしまった。
「来栖先輩、直球すぎじゃないですか!?」
「え?そうなの?」
(そうなの?って、天然か・・)私が呆れていると、松雪君が口を開いた。
「・・あの、僕が不調だったのは恋煩いとかじゃないので、大丈夫です。わざわざ、気にしてくださってありがとうございます。それでは。」
松雪君は、早口で言うと小走りで走って行った。
「あ・・」私はどうしようかと思い、来栖先輩に聞こうとしたが、ここでも天然ぶりを発揮した。
(・・・だめだ・・)
私は、あの天然バカな先輩を諦め、翌日の部活帰りにまた松雪君に聞こうと思いながら家へと帰った。
「もっと走れ!」
「腰を落として!」
「気ぃ抜くな!」
様々な声やボールの音が飛び交うなか、皆が汗水流しながら練習をしていた。
私たちのこのクラブでは、練習で行ったサーブやレシーブなどを個人個人のデータとしてまとめている。そして、それらのデータを鑑みた上で、試合のメンバーの調整などを行っているのだが、最近、不調の人が一人いるのだ。松雪(マツユキ)夕(ユウ)。彼は、優秀なリベロで、これからののびしろにも期待できる人物だ。彼は、今までに怪我は打撲くらいで風邪もひいていない。現に今も、体に不調は見られない。
「どうしてでしょうね。」私は、右隣にいる来栖先輩に聞いた。
「うーん…試合に緊張してるとかじゃ無さそうだしねぇ」
「あっ、恋患いとか。」
「えー?松雪が?」
「いや、あり得るかもしれませんよ。」
「それじゃぁ、聞いてみる?」来栖先輩がニヤニヤ顔で言った。
「そうですね。」私もニヤニヤ顔で言った。女はこういう話が大好きなのだ。
練習が終わり、皆で片付けをし終わった後、私は来栖先輩とほぼほぼ強制的に連れてきた松雪君と三人で帰っている。
「・・あの、なんで僕は来栖先輩と南雲さんと帰っているんですか?」
松雪君がオドオドしながら聞いてきた。
「んー、最近恋してる?」来栖先輩がこれでもかというほどに直球で聞いたため、私も松雪君も面食らってしまった。
「来栖先輩、直球すぎじゃないですか!?」
「え?そうなの?」
(そうなの?って、天然か・・)私が呆れていると、松雪君が口を開いた。
「・・あの、僕が不調だったのは恋煩いとかじゃないので、大丈夫です。わざわざ、気にしてくださってありがとうございます。それでは。」
松雪君は、早口で言うと小走りで走って行った。
「あ・・」私はどうしようかと思い、来栖先輩に聞こうとしたが、ここでも天然ぶりを発揮した。
(・・・だめだ・・)
私は、あの天然バカな先輩を諦め、翌日の部活帰りにまた松雪君に聞こうと思いながら家へと帰った。