再会した幼なじみは黒王子? ~夢見がち女子は振り回されています!~
想像もしていなかった真実に、自然と涙が溢れてくる。
「紗菜ちゃんが体調崩したときも、一目散に会いに行くって言い出すのはコウだったし、口は悪いけど紗菜ちゃんは昔からコウの中心にいたんだよ。今もその想いは何も変わってないと思う」
「そう、なんだ……」
翼くんの言葉を聞くのと同時に、涙が一粒落ちた。
そのとき、タイミングがいいのか悪いのか航くんが戻ってきて、テーブルに本が置かれた。
「ほら、翼、これだろ……って、は? 紗菜、何泣いてるんだよ」
「あー、ごめんね。泣かせちゃった!」
翼くんが私の涙の理由を隠すようにおどけて言う。
その優しさに慌てて、翼くんは悪くないと首を横に振るけれど、航くんには届かない。
「翼、お前、何したんだよ」
「んー、内緒! じゃあ、そろそろ時間だし俺帰るね。家のことはまた相談させて」
「は? おい、翼!」
「じゃあ、紗菜ちゃん、またね!」
「う、うん!」
かろうじて頷くことができたものの、一度出てしまった涙はなかなか止まらない。
「おい、紗菜。どうしたんだよ」
航くんの手が伸びてきて、私の頭を抱えるように撫でる。
顔を覗き込んで涙を拭ってくれる航くんの顔を見た途端、涙だけではなく幸せな気持ちも溢れだした。