【完】せんぱい、いただきます。
アイスを食べ終わってやることもなくなり、

携帯を取り出した。



まだ夏休みの学校の昼間は、

学生の姿はあまりない。



カフェテリアもガラガラだ。




みんなこんなに長い夏休みを

どう過ごしているのだろう。




暑い日差しの外とは反対に、

今私がいる空間は人工的に作られた

冷たい空気で満たされている。





携帯のデジタル表記の時刻を確認し、

私は椅子から立ち上がる。





そろそろ、いいかな。






提示された受付開始の時間からは5分くらい

過ぎている。







私はカフェテリアを出て、


暑い日差しで熱されたコンクリートの

無機質な階段を下り始める。





手すりは使わない。







確実に30度を超えた気温の中で熱されて、

熱いだろう。








「あれ、実紅ちゃん?」




「あ」



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