溺甘副社長にひとり占めされてます。
「答えがどうあれ、俺の美麗ちゃんに対する気持ちは変わらないから……今の正直な気持ちを、俺にください」
正直な気持ち。
その言葉が、心にすとんと落ちてきた。
それならできるかもしれない。
コクリと頷き返せば、彼がほんの少しだけ不安そうな顔をした。
始めて見たその顔に、思わずドキリとしてしまう。
「食事の前に、直接お店行っちゃおうか。俺も一緒に選びたいから」
いつもの笑顔を取り戻し、楽しそうな足取りで自分のデスクへと戻っていく彼の姿を、私は複雑な思いで見つめていた。
+ + +
そして迎えた45周年記念パーティ当日。
午前10時に白濱副社長と共にホテルに着いてからずっと、私は自分に用意してもらった部屋にこもっている。
目の前のベッドには、白濱副社長と共に選んだアイボリー色のパーティドレスと、グレー色のスーツがある。
彼の恋人としてこのドレスを着てもいいのか。それともやっぱり、グレーのスーツを身に着け目立たず彼のサポート役に回るべきだろうか。
それをずっと考えている。
いや。考えているというよりは、気持ちはしっかり傾いている。勇気を出せずにいるだけなのだ。
私は白濱副社長に惹かれている。
自分の気持ちに素直になって、彼の思いにこたえたい。
恋人として彼の隣に立ってみたい。
……そう思うのに、いろいろと余計なことが頭に浮かんできて、勇気が出ないのだ。