溺甘副社長にひとり占めされてます。
勤めて明るい声でそう言って、白濱副社長が私の手からドレスを取った。
それをベッドの上へと無造作に置いたのち、にっこり笑いかけてくる。
「その間、俺は廊下で反省すべきかな」
おどけた口調でそんなことを付け加えてから、私に背を向け、言葉通り部屋を出て行こうとする。
「待ってください!」
気が付けば、私は彼を追いかけていた。後ろからなんとか彼の手を掴み取る。
そのまま両手でぎゅっと彼の手を握りしめ、俯いたまま、思いを口にした。
「私……白濱副社長のことが、好き……です」
握りしめた大きな手が、私の言葉でピクリと動いた。
「だからこそ……キラキラ輝いてるあなたの隣に立つのが怖いんです。私は自分が、あなたが褒めてくれるような女じゃないってこと分かってるから。なんの輝きも持ってない私が隣にいたら、あなたの邪魔になるんじゃないかって、あなたの魅力を曇らせて――」
「美麗ちゃん」
私の手を覆うように、彼がもう片方の手で優しく包み込むように触れてきた。自分が震えていたことに気付かされる。
「俺さ、言動が軽いってたまーに言われるから、気をつけてたつもりなんだけど……君に気に入られたくてお世辞を言ってた訳じゃないんだよ? 君を魅力的な女性だと、心の底からそう思ってる。思いが強すぎて、心の中に気持ちをしまっていられなくて、つい言葉にしちゃったけど……美麗ちゃんが思ってるより何十倍も、君に対する俺の気持ちが真剣だってことを分かってもらいたい」