溺甘副社長にひとり占めされてます。
何も考えていなかったため、返答に困ってしまった。
しかし、そんな私にお構いなしに、彼女たちはプロの顔でにじり寄って来たのだった。
メイクが終わり椅子から立ち上がると、部屋のドア近くで電話をしている白濱副社長と目が合った。
すぐに彼は電話を切り、大股で歩み寄ってくる。
「とっても綺麗。ドレスも似合ってる。今日のゲストの中で、美麗ちゃんが一番、良い女だね」
じっと見つめられるだけでも恥ずかしいというのに、過剰にも思える褒め言葉にさらに頬が熱くなってしまう。
鏡の中にいる自分は、自分じゃないみたいだった。
いつもの自分なら完全にドレスに負けてしまうところだけれど、今の自分はプロのメイク術がすごいのか、それなりに様になっているように見える。
「なんだか実感がわかないです。夢をみてるみたいっていうか」
ゆるく巻かれた髪に触れながら感想を述べると、「美麗ちゃん、座って」と白濱副社長が楽しそうに笑った。
そしてドレスやスーツと一緒にベッドの上に置かれていた箱からパンプスを取り出し、椅子に腰かけた私の前で跪いた。
「しっ、白濱副社長!」
「履かせてあげるから、座ってて」