溺甘副社長にひとり占めされてます。
一通り、自社のケーキの宣伝を言えて満足したのか、男性は次の話題を探すように、私を見た。
「とても美しい女性をお連れですね。彼女は……」
「ありがとうございます。彼女は僕の婚約者です」
白濱副社長がさらりと私を彼らに紹介した。
いつ私は貴方と婚約したんだろうと思いつつも、私は男性二人に対し笑みを浮かべ続けた。
婚約者という言葉で新しいスイッチが入ったらしい。男性二人がテンション高く、ウェディングケーキがどうのこうのと説明し始めた。
そして最後に、詳細なカタログを送りますねと一方的な約束を白濱副社長に押し付け、そそくさとその場を後にした。
やっと終わったとほっと息を吐いたのも束の間、周囲の人たちも、白濱副社長と話をするチャンスをうかがっているのを、表情から察してしまう。
「……大変そうですね」
「俺の周りには、利益のために近づいてくる人と俺を貶めようと企んで近づいてくる人ばっかりだからね。だから、美麗ちゃんと一緒にいると楽なんだ。気を抜くことが出来るから」
ちょっぴり寂しそうな顔をされてしまえば、きゅっと、胸が苦しくなった。
「もっと自信もって、美麗ちゃん。この場にいる誰よりも、君は、俺が愛しいと思えるただ一人の女性なんだから」