溺甘副社長にひとり占めされてます。

嫌だけど、今日のお昼はここで食べることにしよう。

どうしてこんな状況に陥っているかというと、それはさっきの給湯室前での出来事が原因である。

大好きな白濱副社長にたしなめられ、宍戸さんは腹が立ったのだろう。

それの憂さ晴らしをする相手としてどうやら……というかやはり、私を選んだようだった。


休憩に入る少し前に、宍戸さんが書類のミスを同僚に指摘された。

素直に謝るかと思いきや、彼女は反論に打って出た。

そこは一度私に確認し、私の言ったとおりに書き変えたのだと言ってきたのだ。

彼女から、昨日、何度か質問を受けている。もちろんそれらに一つ一つ答えた。

それは確かだけれど、その質問の中に、今回指摘された書類内容のものはなかったように思う。


覚えのないことだと私も反論しようとしたけれど、そのやりとりを聞いていた課長が口を挟んできた。

全面的にそれは私のミスだろうと。

他の意見など聞く耳持たずで、課長は宍戸さんの肩を持つ。

それに同僚が文句をつければ、宍戸さんが悲しそうな顔で課長に訴えた。


『いつも館下さんが私に意地悪してくるんです。だからこの課で働き続けるのが、私、つらくてつらくて……』



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